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新団体「KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)」設立~日本発・純国産ヒューマノイドロボット開発へ~

作成者: KyoHA事務局|Jan 22, 2026 12:33:46 PM

※2025年6月30日に発表した過去プレスリリース記事を、2026年1月22日に再掲しております。

 

早稲田大学
株式会社テムザック
株式会社村田製作所
SREホールディングス株式会社

2025年7月、早稲田大学、株式会社テムザック、株式会社村田製作所、SREホールディングス株式会社は、日本のヒューマノイドロボット産業の再興を目指す新団体「KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)」を設立します。日本の高度なハードウェア技術を結集し、純国産のヒューマノイドロボット開発を推進することで、日本のロボット開発競争力を高めていきます。

■ 設立の背景

近年、米国の巨大テック企業や、中国のIT・EV・ロボット企業を中心に、ヒューマノイドロボット開発が急速に進展しています。日本はかつてのロボット先進国としての存在感を示していかなければなりません。
加えて、日本国内では自然災害や労働力不足といった社会課題が深刻化しており、ロボティクス技術への期待が高まっています。特に、人間に近い動作性能を持ち、極限環境下でも活動可能な「ヒューマノイドロボット」は、次世代の機械システムとして注目されています。      しかし、AIやソフトウェアの進化が進む中で、ハードウェア領域における国産開発体制や産業としての統合的な取り組みは未整備の状況です。こうした課題を打破すべく、モノづくりの都・京都にて、日本の技術力を結集する新たな産業連携の枠組みとして「KyoHA」が誕生します。


■ 活動目的と内容

KyoHAは、以下の5つの柱を中心に活動を展開します。

  1. ハードウェア開発の国産連携体制構築
    精密部品、アクチュエーター、センサー、油圧制御など、日本が誇る高度な技術を連携させ、ヒューマノイドロボットのハードウェア開発に特化した産学連携ネットワークを構築します。

  2. 第1フェーズ:レスキューロボットの開発
    災害現場や崩落現場など、過酷な環境下で人命救助・災害対応を担うヒューマノイドロボットの実装を目指し、社会課題の解決と技術確立を同時に進めます。

  3. 京都を中核としたサプライチェーン構築
    製造・試作・検証・導入までを見据えた国産サプライチェーンの再設計を行い、持続可能な産業基盤を京都から構築します。

  4. 経済的波及効果と産業競争力の強化
    ヒューマノイドの普及および様々な業種との連携を促進し、国内外における日本の産業競争力を強化します。

  5. ソフトウェア・AIとの連携による価値最大化
    ハードと連携するAIや制御技術の進化により、柔軟で賢く動けるヒューマノイドの実現を目指します。


■ 今後の展開と設立メンバー

本団体は2025年中に一般社団法人として設立を行い、2026年度内には第1弾の開発・実装に向けた具体的施策を発表予定です。

現在、以下の企業・機関が設立メンバーとして参画しています。

  • 早稲田大学

  • 株式会社テムザック

  • 株式会社村田製作所

  • SREホールディングス株式会社

加えて、多数の企業・団体との連携に向けた対話が進行中です。産業界・学術界を横断するヒューマノイドのための日本連合として、広く参画を募ってまいります。

 

 

 

 

 

京都ヒューマノイドアソシエーション
設立趣意書

【設立にあたっての決意表明】
この数年、アメリカの巨大テック企業(Tesla、Meta、Appleなど)と中国のIT、EV、ロボット分野の企業などを中心に、ヒューマノイドロボット開発がブームとなっています。しかし、そうしたヒューマノイド開発の先端には、日本の姿は見えません。世界の目からは、日本はヒューマノイドロボット開発の主役の座から降りてしまっていると見えています。われわれはそうした現状を変え、日本のヒューマノイド開発に改めて取組み、世界のロボット開発競争で復権していくため、モノづくりの都である京都に集い、立ち上がることにしました。

【設立の背景】
生成AIの発達を大きな転機として、ヒューマノイドロボット(人型2足歩行ロボット)開発が容易となり、米中を中心とした開発競争が大きなブームと言えるほど過熱化しています。ジャンプや宙返りなど人の動きを再現した派手なアクションがSNSなどで拡散され、ヒューマノイドロボットの可能性に注目度が高まっています。しかし現時点では、そうしたヒューマノイドロボットは、デモンストレーションのためのものであり、人に代わって実作業を持続的にこなせるまでの製品とはなっていません。とはいえ、米中でヒューマノイドロボット開発に対して巨額の投資がされており、さらに世界レベルでの開発競争が進めば、人が“ヒューマノイド”に期待する細かな作業はできなくとも、使い方の工夫によって市場化が一気に進む可能性も出てきていることは確かです。

元々、日本は様々なロボット開発で世界をリードし、「ロボット大国」とまで呼ばれていました。特に、物理的理論による人型2足歩行ロボットの開発では、世界の最先端を走っていた時期もありました。しかし、当時の人型2足歩行ロボットは性能に比して高価格だったこともあり、ヒューマノイドロボットの市場形成の見込みが見えなくなっていました。そこで、日本のロボット開発は、現場からのニーズが高い、ヒューマノイド以外の実用的なロボット開発にシフトし、他方でヒューマノイドロボット開発は萎縮してしまったのが実情です。

しかし、その後のAI技術全般の進歩に加えて、センサーやカメラの性能が急速に向上したことにより、作業対象物の認識技術が飛躍的に向上し、ロボットが人に近い動作をすることを可能としてきています。さらに、生成AIの発達によって、物理的理論に頼らなくても簡単にロボットを2足歩行させることが可能となりました。ロボット開発のツールの一つとして、AIは確かに実用的なロボット開発の重要な要素となっています。こうしたことで、アメリカや中国のヒューマノイドロボット開発が一気に進み始めました。これが、現在のブームです。しかし、日本はそうした流れに乗り遅れています。

このまま日本がヒューマノイドロボット開発で、巻き返しを起こしていかなければ、ヒューマノイドロボット市場で日本の姿がなくなるばかりではなく、将来的に私たちの身近な社会空間で実作業を担うために使われるロボットが、全てアメリカ製か中国製になってしまう危険性があります。そうした事態に対して、手をこまねいてただ眺めているわけにはいかないのです。

【なぜ京都でヒューマノイドアソシエーションを立ち上げるのか】
日本には、新興のアメリカや中国の企業にはない、様々なロボット躯体の開発実績や研究ノウハウの蓄積があります。特に京都には先進のロボット開発関連企業があり、先取り精神の地と併せ、日本版ヒューマノイド開発の最適地だと言えます。

生成AIをツールとして利用しながら、目的用途を明確にして物理的な機構と動きのデータを蓄積し、ロボット躯体の改良も進め、蓄積したデータを活用した生成AIとロボット躯体を統合化することにより、日本は他国よりも圧倒的に実用的で完成度の高いヒューマノイドの開発が可能であると信じています。

競争力のあるヒューマノイドを開発していくには、どうすればよいのか。実作業を担うヒューマノイドロボット開発のためには、何でもよいから人型二足歩行ロボットを使ってデータ収集をすればよいのではなく、用途を明確にして人の身体構造に近い精緻な、しかも持続的に作動させることが可能なロボットの躯体でのデータ収集が重要になってきます。米中で盛んにデモンストレーションされているヒューマノイドロボットは、そうしたロボットではありません。実作業を持続的に実行するために必要な駆動機構とエネルギー供給を可能とするような物理的機構を備えたロボットの躯体を開発できるメンバーが京都には揃っているからこそ意味が大きいのです。

【アソシエーション設立による意義と目標】
ヒューマノイド開発に知見のある研究者、企業が集まり、スピード感をもって、実用性の高い開発を実現させることができる。

  • 理論研究、ロボット開発構想、AI専門家、製造技術それぞれに特化したメンバーが揃うことで、市場を見据えた一貫したヒューマノイド開発を可能とする。

  • 人口減少で労働力不足に直面する日本社会で、重労働や災害救助など危険な作業の代替、伝統技術の継承など幅広く日本の将来を支えられる。

  • ロボット産業は裾野が広く、様々な現場にヒューマノイドが導入されると生産に関わる経済的波及効果が大きく、日本がヒューマノイドロボットの産業基盤国になることができる。

日本での開発を実現するためには単独の研究者や企業では難しく、想いを同じくするメンバーがモノづくりの都でもある京都で立ち上がることといたしました。               是非、京都ヒューマノイドアソシエーション設立の趣旨をご理解いただき、活動へのご支援をいただきますようお願い申し上げます。

2025年6月吉日

 

活動目標

  • アメリカ、中国のヒューマノイドが屋内での人に代わる作業を想定しているのに対して、ロボット化のニーズが高く、人の作業ではリスクの大きい災害現場で働けるレスキューロボットとしてのヒューマノイド開発に主眼を置く。

  • 2026年12月末までに、レスキューヒューマノイド試作機を完成させる。

    想定仕様:全高 3メートル以下 自重 300kg以下                    可搬荷重 100kg以上 歩行速度 5km/h程度

  • 試作機を使いレスキュー活動での様々な現場を想定して、AI学習を含めてのテストを重ね、躯体構造と制御のレベルを上げ、実用機への改良を進める。

  • 2028年度末(2029年3月)までに量産モデルの開発完了を目標とする。

  • 政府が検討を進めている防災庁での、日本発の先進装備品として「レスキューヒューマノイド」の採用を目指す。

アソシエーションメンバー(現時点)
○ 学校法人早稲田大学
○ 株式会社村田製作所
○ 株式会社テムザック
○ SREホールディングス株式会社